近年、矯正治療の選択肢として人気が高まっているのが、透明なマウスピースを使った矯正方法です。特に、代表的なブランドである「インビザライン」は、目立たない矯正方法として広く知られています。しかし、マウスピース矯正はすべての歯並びに適しているわけではありません。今回は、マウスピース矯正のメリットとデメリットを徹底的に解説し、あなたが治療を始める前に知っておくべきことをお伝えします。
マウスピース矯正のメリット
1. 目立たない
最大のメリットは、見た目がほとんど気にならない点です。透明なプラスチックでできているため、装着していても他人に気づかれることはほとんどありません。接客業や営業職など、人前で話す機会が多い方や、見た目を気にされる方には最適です。
2. 取り外しが可能
食事や歯磨きの際には、マウスピースを自分で取り外せます。そのため、普段通りに食事ができ、歯磨きも丁寧に行うことができます。ワイヤー矯正のように食べ物が装置に詰まる心配もなく、衛生的です。また、スポーツや楽器を演奏する際にも、邪魔になりません。
3. 痛みが少ない
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べて歯にかかる力が弱く、段階的に少しずつ歯を動かしていくため、痛みが少ないと言われています。初めて装着した時や、新しいマウスピースに交換した時に多少の締め付け感を感じることはありますが、数日で慣れることがほとんどです。
4. 通院回数が少ない
マウスピースはご自身で交換するため、ワイヤー矯正に比べて歯科医院に通院する回数を減らせます。治療の進捗を確認するために、数ヶ月に一度程度の通院で済むことが多く、忙しい方でも続けやすい治療法です。
マウスピース矯正のデメリット
1. 自己管理が必須
マウスピース矯正は、1日に20時間以上(食事と歯磨き以外は常に)装着しなければ、効果が現れません。装着時間を守れないと、治療期間が延びたり、計画通りに歯が動かなかったりしてしまいます。ご自身の意思でしっかりと管理できる方でなければ、治療はうまくいきません。
2. 適応できる症例が限られる
マウスピース矯正は、すべての歯並びに対応できるわけではありません。抜歯が必要な症例や、複雑な噛み合わせの治療には不向きな場合があります。このようなケースでは、ワイヤー矯正が適していることもあります。治療が可能かどうかは、歯科医師の診断が必要です。
3. 費用が比較的高額
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べて治療費用が高くなる傾向があります。ただし、クリニックや症例によっては、ワイヤー矯正と変わらない、もしくは安くなる場合もあります。
4. 喋りにくさを感じることがある
マウスピースを装着したばかりの頃は、舌に違和感を覚えたり、発音がしにくくなったりすることがあります。しかし、これは一時的なもので、ほとんどの方は数日で慣れていきます。
マウスピース矯正は、非常に優れた治療方法ですが、メリットとデメリットを理解した上で、ご自身に合った治療法か見極めることが大切です。まずは、矯正歯科で相談し、あなたの歯並びがマウスピース矯正に適しているか、専門の歯科医師に診断してもらいましょう。
是非一度当院にご相談ください。
宇治市 中村歯科医院院長 歯周病学会専門医 中村航也