「歯周病」と聞くと、歯ぐきから血が出る、歯がグラグラするといった進行した状態を想像するかもしれません。しかし、歯周病は「サイレントキラー(静かなる殺人者)」と呼ばれるように、自覚症状がないまま静かに進行していく恐ろしい病気です。
多くの人が見過ごしがちなのが、歯周病の初期症状です。自覚症状がないため、気づいた時にはかなり進行しているケースが少なくありません。
初期症状を見逃すな!セルフチェックリスト
以下の項目に当てはまるものはありませんか?もし1つでも当てはまったら、歯周病のサインかもしれません。
* 朝起きたとき、口の中がネバネバする
就寝中は唾液の分泌が減り、細菌が増殖しやすくなります。朝のネバつきは、細菌が増えている証拠です。
* 歯ブラシに血がつく
歯ぐきに炎症が起きていると、少しの刺激でも出血しやすくなります。
* 歯ぐきが赤く腫れている
健康な歯ぐきは薄いピンク色です。赤みを帯びている、またはぶよぶよと腫れている場合は、炎症が起きている可能性があります。
* 口臭が気になる
歯周病菌が作り出すガスが、独特の嫌な臭いを発生させます。
* 冷たいものがしみる
歯周病によって歯ぐきが下がり、歯の根元が露出すると、冷たいものがしみやすくなります。
「このくらい大丈夫だろう」と放置していると、歯周病菌は歯を支える骨を少しずつ溶かしていきます。最終的には、健康な歯まで抜け落ちてしまう可能性があります。
歯周病は全身の健康にも影響する
歯周病が怖いのは、お口の中だけの問題ではないことです。歯周病菌は、歯ぐきの血管から全身に侵入し、心臓病や糖尿病、脳卒中、誤嚥性肺炎など、さまざまな病気と関連があることが分かっています。
歯周病の早期発見・早期治療が、あなたの健康を守る上で非常に重要です。まずは、今日からできるセルフチェックを習慣にしてみましょう。そして、気になる症状があれば、放置せずに歯科医院を受診してください。
歯科医院では、ご自身では取りきれない歯石やプラーク(歯垢)を除去する専門的なクリーニングを受けられます。定期的なメンテナンスで、歯周病のリスクをコントロールしましょう。
宇治市 中村歯科医院院長 歯周病学会専門医 中村航也