COLUMN

医院コラム

「歯周病は歯磨きが不十分だからなる病気」と思っていませんか?もちろん、歯磨きは歯周病予防の基本ですが、歯周病は虫歯と同じように、生活習慣病の一種です。歯周病を本当に予防・改善したいなら、歯磨き以外の生活習慣にも目を向ける必要があります。

歯周病を悪化させる意外な生活習慣

* 喫煙

   タバコに含まれるニコチンやタールは、歯ぐきの血流を悪くさせ、免疫力を低下させます。その結果、歯周病菌が繁殖しやすくなり、炎症が起きても気づきにくくなります。喫煙者は非喫煙者に比べて、歯周病のリスクが2〜6倍高まると言われています。

* ストレス

   ストレスが過度にかかると、免疫力が低下します。免疫力が落ちると、歯周病菌に対する抵抗力が弱まり、歯周病が進行しやすくなります。また、ストレスによって歯ぎしりや食いしばりをする人も多く、これも歯に過度な負担をかけて歯周病を悪化させる原因となります。

* 不規則な食生活

   糖分の多い食事は、口の中の細菌のエサとなり、歯周病菌を増やします。また、早食いや偏った食事は、噛む回数を減らし、唾液の分泌量を減らしてしまいます。唾液には自浄作用があるため、分泌量が減ると歯周病のリスクが高まります。

* 睡眠不足

   睡眠不足は体の免疫力を低下させます。歯周病菌は常に口の中にいるため、免疫力が低下すると歯周病が進行しやすい状態になってしまいます。

歯周病治療は「生活習慣の見直し」から

歯周病の治療には、歯科医院での歯石除去やクリーニングが不可欠です。しかし、根本的な解決にはなりません。歯科医院でどんなにきれいにしてもらっても、生活習慣が変わらなければ、歯周病は再発してしまいます。

歯周病は、あなたの生活習慣が歯ぐきに現れた結果です。歯周病を根本から改善したいなら、歯科医院での治療と並行して、生活習慣の見直しを行いましょう。禁煙、ストレスマネジメント、バランスの取れた食生活、十分な睡眠を心がけることが、歯周病の予防と改善に繋がります。

歯周病予防は、あなたの健康的な生活習慣を築くチャンスでもあります。

宇治市 中村歯科医院院長 歯周病学会専門医 中村航也