COLUMN

医院コラム

歯を無くしてしまうと、手段の一つにインプラントがあります。


インプラントが入っていると、フッ素入りの歯磨き粉を使っては行けないと言われた事はございませんか?


今回はフッ素とインプラントの関係性についてお話します!


フッ素は、インプラントの材料であるチタンの物理的性質劣化、表面の粗造感と歯垢付着量増加、それに伴うインプラント周囲炎の増加のリスクが上がると言われていました。


それによって、一時期フッ素はインプラントに使用してはいけないとされてきました。

ですが、この研究結果は実際に人の口の中で行った研究ではないものと分かりました。

この研究の全てが間違ってくる訳ではありません。高濃度・低PHのフッ素(9000ppm)はチタンを腐蝕させるリスクはありますが、市販の歯磨き粉のフッ素配合の上限は1500ppmです。


お口の中には唾液があるため、濃度はさらに下がると言われています。


PHに関しても市販の歯磨き粉に配合されるフッ素はPH7前後で中性です。


平成27年、日本口腔衛生学会フッ化物応用委員会が、「フッ化物配合歯磨剤の利用はチタン製歯科材料使用者にも推奨すべきである」という見解をだしました。


インプラントが日本以上に広く普及している欧米では水道水へのフッ素添加が一般的ですが、水道水のフッ素添加がインプラントの材質劣化を促進しているということは報告されていません。

これらの事から、インプラント装着後もフッ素入り歯磨き粉を使って問題ないと言えるでしょう。


しかし、歯科医院で使用するフッ素は高濃度であるため、インプラントには使用できません。

歯磨き粉を選ぶポイントとして、粒々が入っていない歯磨き粉がおススメです!


粒々がインプラントの細部に入り込み、炎症を引き起こす原因にもなります。


今はインプラント専用歯磨き粉などもありますので、お気軽にスタッフにお尋ねください。


宇治市 中村歯科医院院長 歯周病学会専門医 中村航也