- 皆さんは歯周病に関係する全身疾患がどのくらいあるかご存知ですか?
なんと、100種類以上の全身疾患が歯周病と関係していると言われています。
今回はその中でもよく見られる歯周病と心疾患、脳血管疾患の関係についてお話します。
歯周病を放置していると、心筋梗塞や脳卒中にかかるリスクが高くなることがわかってきました。
みなさん疑問に思いませんか?なぜ歯周病が脳や心臓にも影響を与えるのか。
それは、炎症と菌血症が原因と言われています。
歯周病は細菌による感染症です。歯周病による炎症は、細菌の塊や歯肉の中の歯石が原因と言われています。
歯周治療が行われない限り刺激が続くため、慢性的な炎症となります。歯周病によって産生された炎症物質は血流に乗って全身に運ばれます。そしていろいろな組織や臓器にまわり全身疾患を発症、悪化させます。これが、歯周病の全身疾患の発症や悪化に関わるメカニズムの1つです。
次に菌血症とは、細菌の塊が歯周ポケットの中の傷口に押しつけられることによって細菌が毛細血管に侵入し、細菌そのものが全身を流れ、血流に乗った歯周病菌は全身の組織、臓器に運ばれ炎症を起こします。
動脈硬化を引き起こす主な原因は高血圧、高コレステロール、生活習慣が要因とされていました。
新たな調べでウイルスや細菌により引き起こされることが分かりました。動脈硬化を起こした血管壁を調べると歯周病菌が発見された報告もあります。
歯周病は世界で2番目に多いとされる病気です。
私たちに身近な分、危険視されてる方が少ないのが現状です。
このように歯周病は命を落とす病気とも関係があるのです。
定期的にお口の中をクリーニングして、歯と身体どちらも健康な状態を目指しましょう!
宇治市 中村歯科医院院長 歯周病学会専門医 中村航也