COLUMN

医院コラム

皆さんは脳ドッグを受けられた経験はありますか?

脳ドッグではMRIを使い、脳を詳しく検査するのですが、その際、「微小脳出血」と診断される方は少なくありません。


微小脳出血とは、文字通りわずかな脳出血のことで、これがあると将来の脳卒中のリスクが高くなるといわれています。


実はこの微小脳出血の出現が、むし歯菌によってもたらされているということが最近分かりました。


むし歯菌の一種の陽性ミュータンス菌が歯周病によって起こる歯ぐきの出血や、抜歯による出血などでお口の中から血管壁に入り込んで脳の血管まで運ばれます。そして生脳血管壁のコラーゲンに接着し、炎症を起こして出血を止める血小板の働きを抑制することで脳出血を引き起こすのではないかと考えられているのです。


なんと歯垢の中にこの陽性ミュータンス菌がある人は、そうでない人と比べて微小脳出血の出現率が4.7倍も高いことも分かっています。

特に免疫が下がっているときや持病がある方などは可能性がより高まります。


痛みの有無に関わらず、定期的に歯医者さんでクリーニングやむし歯のチェックを受けましょう。それがお口の中だけではなく、全身の健康を守ることに繋がります。


宇治市 中村歯科医院院長 歯周病学会専門医 中村航也