国際科学誌『Cancer(キャンサー)』に掲載された東京医科歯科大学のグループの研究です。
歯垢の中にストレプトコッカス アンギノーサス菌がいると、食道がんへのかかりやすさが32.8倍高くなることがわかりました。飲酒習慣の場合が17.1倍であることを考えると、お口の中にこの細菌が棲息することはかなり危険だといえるでしょう。
残念ながら、歯ブラシで除去できる歯垢は約50%でしかありません。
歯と歯の間や、歯と歯ぐきの間にある歯垢は一般の方にはなかなか除去できないのが実際です。歯科医院で定期的にクリーニングを受けることでほとんどの歯垢を除去することができます。
食道がんはがんの中でも治りにくい(長期生存率が低い)ため、予防が大切です。がん予防のためにも、歯科での定期受診を心がけましょう。
宇治市 中村歯科医院院長 歯周病学会専門医 中村航也