COLUMN

医院コラム

緊急事態宣言が解除され、まだまだ気をつける必要はありますが、いったん歯科の立場から新型コロナウイルスと健康について考えてみました。

まず1つ知っておいていただきたいことは、現時点ではまだ歯科治療を通じて患者が新型コロナウイルスに感染した例は1件もない、ということです(4月30日に歯科医師会の会長がテレビで報告。以降も患者さんへの感染は報告されていません)。それだけ普段から歯科医院は院内感染予防に精通しています。

次に、お口の中の細菌が、コロナウイルスによる肺炎の重症化と関係しているということ。
つまり、お口の中がきれいであれば、コロナウイルスに感染したとしても重症化するリスクを低下させることになるのです。

お口の中をきれいにするには、まず、普段の歯磨きが大切です。しかし、歯磨きで落とせる歯垢は約50%程度と言われています。残りの歯垢や歯石を除去するには定期的に歯科医院に通うことが欠かせません。

さらに、お口の中をきれいにできるかどうかのカギは歯並びにあります。今はお子様だけでなく大人の矯正治療も増えており、目立たないマウスピース型の矯正装置が人気です。特に、高齢になると肺炎のリスクが高まりますが、その大きな要因の一つがお口の中の汚れです。歯科医院をうまく活用して、病気のリスクを下げ、いつまでも健康で元気に暮らせるように心がけましょう。

宇治市 中村歯科医院院長 歯周病学会専門医 中村航也