COLUMN

医院コラム

東北大学の研究によると、歯が20本以上ある人と比較して、歯が全く無い人は短時間睡眠(4時間以下)になるリスクが1.4倍に、長時間睡眠(10時間以下)になるリスクが1.8倍あることがわかっています。歯が1〜9本の人も、短時間睡眠リスクが1.3倍、長時間睡眠リスクが1.5倍となっています。

睡眠時間は長くても短くても、死亡率や循環器の病気、肥満などのリスクが高くなることが知られています。特に歯が残っていない場合は、寝ている間に下顎が上方向に移動してしまい、その結果気道が狭められてしまう可能性があります。

これまで睡眠時の状態と歯の本数に関する研究はなく、この結果からは、寝ている間の歯の本数を20本以上に保つことが重要となることが示されています。

歯の本数が少なく入れ歯を使用されていて、「最近睡眠時間が短い(長い)」という方は、注意が必要かもしれません。

入れ歯の場合も、今残っている歯やインプラントを支えとしてしっかり固定できる治療法もありますので、歯科医師に相談することをおすすめします。

宇治市 中村歯科医院院長 歯周病学会専門医 中村航也